ドイツ語読書案内

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2008年11月9日(日) 22:59

人間交際術(BL)

[書名] 人間交際術(BL)
[原題] Ueber den Umgang mit Menschen
[著者名] A・F・v・クニッゲ (Adolph Freiherr von Knigge)
[訳者名] 笠原賢介、中直一
[ページ数] 621ページ
[発行年月日] 1993.12
[出版社] 講談社
[ISBN] 4061591037
[価格] 1426円
[分類] 実用(BL)
 

 ドイツにももちろんマナー本はある。それも場面ごとに、ビジネス・クニッゲ、会食クニッゲ、クリスマス・クニッゲとさまざまそろっている。

 マナーのことをドイツ語で「クニッゲ」というのだろうか? 厳密に言えば、そうではない。それでは「クニッゲ」とは一体何なのか。それは、2世紀ほど前のドイツで大ベストセラーとなった本書に由来する。この著者の名アドルフ・フライヘア・フォン・クニッゲから、いつしかマナーやマナー本を「クニッゲ」というようになったというわけだ。

 彼は事業運営から小説の執筆まで多方面に才能を発揮したが、父の遺した莫大な負債を背負い、社交界の花形になっても妬まれて失脚ということを2度も繰り返した苦労人でもある。その彼が、数々の経験を生かして社会のあらゆる階層、属性の人とのつき合い方を事細かに記したのが本書である。

 今でもうなずけることがたくさん書かれているが、すぐに役立つハウツー本というより、波瀾万丈の人生を送った著者のちょっと斜に構えた人間観察を楽しむ本と言える。

 
(春眠)

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2008年9月28日(日) 22:08

世界の測量

[書名] 世界の測量
[原題] Die Vermessung der Welt
[著者名] ダニエル・ケールマン (Daniel Kehlmann)
[訳者名] 瀬川裕司
[ページ数] 336ページ
[発行年月日] 2008.05.20
[出版社] 三修社
[ISBN] 4384041071
[価格] 1995円(税込み)
[分類] 文芸一般
 

 アレクサンダー・フォン・フンボルト。大学で財政学を学び始めるが、方向転換して鉱山アカデミーへ。午前中の6時間を地中での調査に当て、午後は講義を聞き、夜は予習に励む。切り取ったカエルの脚に電気を流したら筋肉が動いたという実験を知ると、カエルではなく自分の身体を使ってその謎を解明しようとする。南米への探検旅行に出ると、どんな奥地にも行きたがり、どんなものでも見たがり、行く先々で気圧を測り、現在地の高度を知るために水の沸点を測り、現地女性の頭に巣くうシラミの数を調べる。同行者のボンプランがいかに困り果て、いかに疲れ果てようと、フンボルトの行動はとまらない。
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2008年9月16日(火) 22:25

崇拝者(BL)

[仮邦題] 崇拝者
[原題] Der Verehrer
[著者名] シャルロッテ・リンク (Charlotte Link)
[ページ数] 511ページ
[発行年月日] 1998.11
[出版社] Goldmann
[ISBN] 978-3-442-44254-6
[分類] 文芸一般(BL)

 


 ある日の昼近く、30代の女性レオナは歯医者から勤務先の出版社に向かう途中で事件に出くわす。若い女性エファがアパートの6階から落ちたのを目の当たりにしたのだ。夫のヴォルフガングは、何日たっても事件のことが忘れられずに苦しむレオナを理解せず、そんなものは意思の力で克服できるはずだと言い放つ。さらに、自分は新しい恋人と結婚するので、離婚に応じろと迫る。

 失意のレオナに、エファの隣人が電話をかけてくる。エファと最後に言葉を交わした人物であり、葬儀にも参列したレオナに遺品をもらってほしいというのだ。気は進まなかったが、家に戻るのも嫌なので、レオナは仕事帰りにエファのアパートに立ち寄る。そして、葬儀のときに知り合ったロベルトと再会する。彼はエファの兄で、とても魅力的な男性だった――

 事故死か、自殺か、はたまた他殺か? そんな含みを持たせたエファの転落死は、夫の浮気の告白と離婚話、レオナ自身の新たな恋へとつながっていき、ラブロマンスの幕開けのような様相を見せる。しかし、プロローグに登場した惨殺死体が、この作品はそんなものではないぞと釘を刺す。そして、あちこちから少しずつわいてくる黒い雲が、次第に空全体を覆っていく。意外性はあまりないが、丁寧な心理描写がページをめくる手を放させない。分類は本書のRomanという表示に従って文芸一般としたが、サイコホラーと呼んだ方が適切だ。

 シャルロッテ・リンクは、書くたびにヒットを飛ばすと言っても過言ではない、ドイツの人気作家。

 
(春眠)

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2008年4月6日(日) 10:51

凍える森(BL)

[題名] 凍える森
[原題] Tannoed
[著者名] アンドレア・M・シェンケル (Andrea Maria Schenkel)
[ページ数] 198ページ
[発行年月日] 2007.10
[出版社] 集英社文庫
[ISBN] 978-4-08-760542-6
[分類] ミステリー(BL)


 

 1950年代のある日。「わたし」は、ある村で一家惨殺という悲惨な事件が起きたことを知る。第2次世界大戦直後の夏を過ごしたその村は、まるで平和のオアシスのように穏やかだったのに。現地に赴いた「わたし」は、村人たちから事件についていろいろな話を聞かされる。微妙に食い違う証言の中から浮かび上がる被害者一家の素顔は、そして事件の真相は……。

 1922年に南バイエルンで実際に起こり、迷宮入りとなった事件をモデルにした作品。村人たちが語る証言を一つ一つ積み上げて事件の全貌を明らかにしていくスタイルは、宮部みゆきの『理由』をほうふつとさせる。スタイルだけでなく、冷たいものがお腹に残るような読後感も少し似ている。

 
(春眠)

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2007年11月10日(土) 17:19

Schneesterben(BL)

[原題] Schneesterben
[著者名] アンネ・シャプレ (Anne Chaplet)
[ページ数] 317ページ
[発行年月日] 2003.09
[出版社] Goldmann Wilhelm GmbH
[ISBN] 3-442-45767-X
[分類] ミステリー(BL)


 

 フランクフルトに近い、ある村に起こった殺人。この村の暗い秘密とどのような関係があるのか……。

 ストーリーは変化に富み、登場人物の心理もよく描かれていて興味深い。真犯人は最後まで見当がつかず、あっと驚く結末だ。もう一つの魅力は、フランクフルトから移り住んで数年という作家パウル・ブレーマーの存在。路上や庭で繰り広げられる村人の生活を優しい目で観察しつつ、自分も住民の一人として村とかかわっていく様子がほほえましい。彼は猫を飼っていて、そのかわいがり方もとても印象的。

 この本でアンネ・シャプレのファンになった。

 本書は2004年にドイツ・ミステリー大賞第2位を受賞。

 
(えりか)

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